睡眠薬を使うことの是非

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メンテナンスフリーごろ寝フローリングの アトピッコハウス(株)　ごとうひろ美が、
老犬との暮らしのヒントをお伝えしています。

足が不自由になってから、
夜、起こされることが増えてきました。

水が飲みたくても一人で行けない、
トイレにも自分では行けないので、
仕方がないのですが、

飼い主は、なかなか大変です。

トイレはオシメを活用すれば良いのですが、
皮膚の弱いくるみは、
できるだけ使いたくないし、

本人も気持ちが悪いようで、
食べちゃうんですよね、オシメ。

さすがに歩行器をつけている時は、
トイレが垂れ流しになるし、
気もち悪くても、
くるみが自分で取ることはできません。

歩行器とオシメはセットですが、
そうじゃない時は、
3時間を目安にトイレに連れて行くようになりました。

がしかし、問題は夜です。

3か月ぐらい頑張りましたら、
私の体力が限界になってきました。

睡眠薬に頼ってみるか…。

獣医に相談したところ、
老犬を抱えている飼い主からの同様の相談は多く、

うちはボケていないから遠吠えもないので、
まだ状況は楽観できるものだということも
わかりました。

そうはいっても、
私としては限界に近かったため、

いくつか注意事項を提示されながら、
もらってきました睡眠薬。
注意事項としては、

• まったく効かない子もいる
• 別の薬を処方できるから相談して欲しい
• 逆に効き過ぎる子は48時間寝続けたことがある
• 体重や犬種だけでは統計が取れないから手探りな状態

なるほど～。
ひとまず一番少ない量から与えてみたら、

くるみは、バッチリ効く子で
ほぼ24時間寝続けました。
途中、何度か起こしてみたもののボケボケで、
睡眠薬が効いていることがわかります。

ちょっと可哀そうだったのが、
睡眠薬が切れかかった時、とても寒がっていました。

これは人間が手術後の麻酔から覚める時のような感じで、
彼女にとって、
一番少ない量は、相当効いてしまったことになりますが、

お陰で、久しぶりに熟睡できた私。

とはいえ、
適切量を見極めなければならず、
10日間ぐらい、試行錯誤が続き、

錠剤の1/12程度のサイズで、
6時間ぐらい寝てくれることがわかってきました。

いやもう、
本当に少しの量をペロっと舐めさせて
10分後には爆睡しているという…。

あまりに効き具合に
笑ってしまいました、はい。

睡眠薬を飲ませるって、
なんだか可哀想という側面もあります。

アトピッコハウスのスタッフも、
可哀想じゃないですか！という発言もありました。
でも自宅に帰って、
その話を両親にしたら、

周りでも、結構使っているみたいよ。

という反応だったそう。
ですよね…、綺麗ごとだけじゃ介護なんてできないです。
仕事もしているし、出かけることだってある。

あと数か月、と思いながら、
でもいつ終わるともわからない…。

我が家は犬ですが、
これが人間だったら、色々と悩むだろうなぁ、と想像します。
世間の目もあるし、
自分自身の想いもある。

そして介護される本人の希望だって
当然あるわけで…。

ひと言で片付けられない、
他人がとやかく言える問題ではないことを
身をもって体験しました。

犬ですら、睡眠薬を使うことに賛否両論あり、
友人の同じトイプードル老犬は、

心臓への負担があるから
出せないと断られたと言っていました。
それも１つの考え方で、

もしも友人が、
それを押してでも睡眠薬を使いたいのなら、

別の獣医にお願いすれば良いだけで、
それをしないということは、
彼女も獣医と同意見、ということ。

つまり自分で決めている。

私は睡眠薬を使うことを自分に許しました。
自分自身の精神と体力を安定させ、
最後の時間を精一杯の力で応援する。

睡眠薬を使わないからといって
精一杯やらないということでもないですが、

私は、睡眠薬を使うことを選んだ、ということです。

2018年4月、華子が17歳半で旅立ちました。

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