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戸塚社長

腕のいい大工を見分けるポイントとは?

2012/11/08
2025/11/05

こんにちは!
無垢・漆喰・珪藻土「自然素材の内装材ブログ」を運営している
アトピッコハウス㈱、ごとう ひろ美です。

家づくりをする上で欠かせないのが大工さんの存在!
工務店や住宅メーカーに家づくりを依頼する場合も、実際に工事を行うのは大工。

人生の中でも特に大きな買い物であるマイホーム。
せっかくなら技術力がある腕の良い大工に造ってもらいたくないですか?

ということで、事前に大工の腕を確認しておきたいところですが、
一般のお客さんが大工の腕の良し悪しを判断するのは難しいです。

今回は腕の良い大工を見分け、良い大工に出会うためのポイント、
検討するための判断基準についてお伝えします。

腕の良い大工が減っているのは本当?

時代の変化と共に家づくりの方法は多様化し、
それに合わせて「腕の良い大工が減った」と言われるようになりました。
どのような理由があるのでしょうか?

原因としては、いかに早く家を建てられるかが求められた結果、
木造住宅の設計方法が「在来工法」から「プレカット工法」に変化してきたことです。

在来工法とプレカット工法

在来工法とは、「木造軸組工法」とも呼ばれる日本の伝統的な木造住宅の設計・建築方法です。
コンクリートの基礎部分に柱をたて、梁と組み合わせ骨組みを作るのが特徴です。
この在来工法では、木材の加工から組み立てまでを全て大工が行います。

・墨つぼなどの道具を使い正確に印を付ける(墨付け)
・さしがねなどの道具を使い線を引いてノコギリや電動工具で木材を切断する(刻み)
・ノミなどを使い、梁を組み合わせるための正確なくぼみを作る

上記は、木材を加工する際に大工が行う作業の一部ですが、
木材の加工は数ミリのズレがあるだけでも上手く組み合わせることができなかったり、
歪みが出てしまったりするため、高い技術力が必要とされます。

加工した木材を組み合わせて仕上げるまでにも、
さまざまな工程があり多くの技術が使われます。
また、それぞれの木材の性質を活かして一本一本加工するため、
木に対する深い知識も備えておく必要がありました。

このように在来工法が主流だった時代は木材の加工から組み立てまでを全て大工が行うため、
施工に時間がかかりコストも多くかかってしまっていましたが、
その反面、技術力が高く腕の良い大工が多くいたのです。

もう一方のプレカット工法は、「pre(あらかじめ)cut(切断する)」という意味がある
新しく、急速に広まり使われるようになった建築法です。

「プレカット」という言葉の通り、現場にはあらかじめ工場で加工された木材が運び込まれ、
大工は加工済みの木材を組み立てるだけなので、木材をカットする必要がありません。

そのため、在来工法と比較して高い技術力が必要なくなり、
基本的には大工の腕の良し悪しに左右されなくなりました。
もちろん、大工になる以上、基礎技術は身につけている必要がありますが、
修行する期間や実践する機会が減っているのです。

プレカット工法には工期短縮・コスト削減(人件費削減)、加工品質を一定に保つ、など
在来工法と比較すると「速く、簡単に、安く」家が建てられるようになるという多くのメリットもあります。
しかし、長い目で見ると大工としての技術を受け継ぐチャンスがなくなり、
腕の良い大工が減るというデメリットにつながったのです。

腕が悪い大工の特徴とは?

高い技術を持った大工が減ったという事は分かりましたね。
しかし「技術力のある大工=腕の良い大工」という訳ではないんです。
腕の良い大工とは、技術力はもちろんのこと、仕事に対する姿勢や態度なども良い人のことを言います。

そこで、「腕の良い大工」を見分けるためにも、
「腕の悪い大工」の特徴、ポイントを把握しておきましょう。
腕が悪いとされる大工に共通する特徴は以下の通りです。

道具や木材を大切に扱わない

どのような仕事でも、道具を大切にしない人は仕事ができないと言われます。
大工も同様で、ノコギリやカナヅチなど、仕事をする上で大切な道具を丁寧に扱っていない人は腕の悪い大工と言えるでしょう。
雑に置かれていないか、現場に散らかっていないか、などをチェックすることで、
腕の良し悪しを判断することが可能です。

また、木材の管理方法もチェックしたいポイント。
木材は家をつくる大切な資材です。
雑に重ねられていないか、雨が当たるような状態になっていないか、などを見ておきましょう。

現場の掃除ができていない

建築中の現場は、木くずがたまったりホコリが落ちてしまったりするのは仕方ないことです。
腕の悪い大工は掃除をせず、散らかった状態で仕事をしていることが多いです。

くわえタバコをしながら仕事をしている

腕が悪い大工は、くわえタバコをしながら仕事をしている可能性もあります。
木材にタバコの灰が落ちてしまったり、匂いがつくのは私達でも想像できますし、
「仕事をしながらタバコなんてありえない!」と感じる人もいるかもしれませんが、
職人の世界ではありえないことではないのです。

丁寧な仕事ができない

大雑把、細かい部分の作業が雑な人は、腕の悪い大工です。
家づくりでは数ミリの雑さが全体の出来に大きく影響します。
丁寧な仕事ができない大工も、腕の悪い大工と言えるでしょう。

実例!腕のいい大工とはこういうこと

ここで体験談を1つお伝えします。

天然日和の取材で、
岩手県盛岡市にある あっとホームさんにお邪魔してきました。
せっかくなので1泊して、戸塚社長に珈琲を入れてもらいながら、
戸塚社長

出張オープンセミナーを開催させてただいて、翌日はスタッフ撮影にも立ち会いました。
撮影はカメラマンがするので、
笑って~とか、真剣な顔して~と、適当なコト言ってるだけなんですが、

これが大収穫だったんです!
現場監督の撮影は、現場でしようということになり3つの現場に車を走らせたのですが、
最後の現場に感動しました。

あんな整理整頓された現場を見たことがありません。
あっとホーム現場

私は建築のプロではないので、
建築途中を見ても、ボードの貼り方の上手い下手とか、わからないんです。(最近は下手だとわかっちゃうようになりましたけど)
この仕事を始めた頃、
そんな話を左官職人さんにしたら、「道具とトラックを見ればわかる」と教えてもらいました。

腕の良い職人は、道具を大切にする。
道具の種類はわからなくても、
それがキレイかどうかは素人でもわかる。
トラックも同じ。古くても、掃除が行き届いているか、材料がグチャグチャになっていないかで判断しろ。

なる程~、ですよね。

工務店の場合も、工事途中の現場状況で判断しています。
潰れそうな会社は、現場もグチャグチャ。
ビスが散乱して、タバコ吸いながら作業している。
木工事やっている隣で、珪藻土塗り壁はいから小町を施工している…。

壁に木粉が混ざっちゃうよねー。

で、あっとホーム。
感動しました。あの建築途中の現場で、昼寝できます。
簡易宿泊所にしても良いぐらいです。
あっとホーム

仮設トイレも使ってもみようか、と思える状態でした。
ファブリーズは嫌いだけど、小さな花と、ファブリーズが置いてある仮説トイレなんて初めて見ました。
もちろん職人さんのトラックチェックも忘れていません。
全員、素晴らしいぐらいに整理整頓されていました。やっぱりです。

棟梁にキレイの理由を質問してみたところ、
棟梁
親方から独立する時、
何か特徴を出さないと仕事がこないな、と思った。
自分の親方は真逆だったから、
いつ、誰が来ても恥ずかしくない現場にしようと考えた。

かんどー。どういう状況でも、自分の考え方、努力で前進できることを改めて教えてもらいました。

あっとホームさんは、現場管理が素晴らしいことで地元でも有名なのだとか。
美しい現場を見て、ご近所の方が、あっとホームご指名で仕事の依頼が入ることもあるのだそう。

そりゃ、そうでしょう。
ハウスメーカーの下請けとして嫌々仕事して、渋々整理整頓しているのとは全く違う。
棟梁自ら、信念をもって現場を大切にしている空気感は、
素人だからこそ、自分の夢のマイホームを建てようと思っている真剣さがあるから見抜けるんだと思う。

腕のいい大工、良い現場、良い工務店ってこういう事なんですよね。

腕の良い大工の特徴とは?

実例でも十分伝わったと思いますが
「腕の良い大工」の特徴・見極めるポイントを具体的にまとめてみました。

道具や木材を大切に扱い整理整頓されている

腕のいい大工は、仕事がしやすいように、
道具をきちんと整えて置いているなどの特徴があります。

現場の掃除ができている

建築現場は、木くずがたまったりホコリが落ちてしまったりするのは普通のことですが、
腕の良い大工は定期的に掃除をしながら整った環境で仕事をします。
現場を整えながら仕事ができる人は、細かい作業なども丁寧に行える人が多いです。

タバコを吸いながら仕事をしない

木材にタバコの灰が落ちてしまったり、匂いがつくいうリスクを考えると、
腕のいい大工はくわえタバコをしながら働くなんてまずないでしょう。

細かなところでの丁寧な仕事

大工は「力仕事」というイメージがありますが、
本来は丁寧さや繊細さが求められる仕事。

木材の接合部分に隙間ができないようにしたり、
表面に傷を付けないように作業できたりする大工は腕が良いと言えます。

隠れず見え続ける壁や床板、巾木や窓枠など
造作仕事をきっちりとこなしている大工であれば、
隠れてしまう構造部分でも丁寧な仕事をしているはずです。

家づくりへの想い、信念、情熱をもっており現場を大切にしている

大工仕事に誇りと信念を持っていてる棟梁、大工は現場を大切にしています。
これまでにあげた道具の扱いや掃除、現場の雰囲気などに現れます。
その空気感を感じられるかどうかがポイントです。

大工の腕は現場見学会や作業現場でチェック!

では「腕の良い大工」の特徴がわかったけれど、いつどこでそれを確認するの?
ということになりますよね。
依頼する施主は大工と直接関わる機会が少ないため、
以下のような場で判断しましょう。
家づくりを始めてから後悔しないためにもしっかりチェックを!

  • 完成現場見学会
  • 作業現場見学
  • 初回対面時の挨拶
  • 完成現場見学会

工務店やハウスメーカーで家づくりをする場合は、
業者お抱えの大工が施工することが多いので、
「完成現場見学会」や「住宅展示場」、「モデルルーム見学」
で大工の腕の良し悪しを判断できます。

こういう場では家全体の雰囲気やデザインを見る人が多いですが、
大工の腕を判断するためには、細かい部分も確認しましょう。

完成現場見学会

完成現場見学会でチェックしたいポイントは以下の3つです。

・巾木(はばき)がぴったりとくっついているか

巾木とは、壁と床が交わる部分にある木材のこと。
腕の良い大工は、巾木と巾木の結合部分をぴたっと隙間なく、くっつけています。
一方、腕の悪い大工が作った家では巾木部分に隙間が空いている可能性も。

本来ズレやすき間があってはならない箇所なので、
1ミリのズレやすき間であったとしても、それは丁寧とはいえません。
家づくりをする上で、巾木のような造作材の“つき”は、
大工が一番気にするべきポイントなのです。
隙間が空いている場合、失敗に気づいているはずなのに
そのまま放置している可能性だってあります。

・部屋の角や窓枠などの結合部分に隙間はないか

特に窓部分に隙間があると風が入る可能性があるので要注意です。

・バリが残っていないか

部屋の入口部分にある木枠など、見えにくい箇所は、
隙間だけでなく「バリ」がないかどうかもチェックしましょう。

バリとは、木材のカットした部分にあるささくれのことで、
本来ヤスリなどで削り落としておく必要があります。

丁寧な仕事ができる大工は、バリもしっかり落とし綺麗な結合部分を作ります。
少しでもバリが残っていた場合は、「腕の悪い大工さんかも…」と疑ったほうがいいです。
腕の悪さ、道具の手入れの悪さを表しているからです。

大工の仕事は、家が完成してしまうと、
その8割以上が壁の中に隠れてしまいます。
造作仕事のようにずっと見えて残る部分、
こういうところで丁寧な仕事ができない大工は、
隠れてしまう壁の中では、もっとひどい仕事をしている可能性も。
数年経ってそれが分かる可能性が高いので、
このような会社はやめておきましょう。

作業現場見学

建築中の作業現場では棟梁・大工の人柄、現場の雰囲気、
どのような環境で仕事をしているのかを見ることで、
大工さんの腕の良し悪し、
そして安心して家づくりを任せられるかを知ることができます。

まずは棟梁の雰囲気をチェック。
大工仕事に誇りと信念を持っていて、
現場を大切にしていることが伝わってくるでしょうか。

現場の雰囲気はどうでしょう?

道具の扱い、整理整頓具合、掃除の程度、くわえタバコをしながら働いている人はいないか、
木材が雑に扱われていないかなどをチェックしましょう。
資材の管理がいい加減だと、近所からクレームが来る可能性も・・。
こういった基本的なことがしっかりできていない大工には、
大切な家づくりを任せることができません。

また、家づくりには長い時間がかかるので、
いくら腕のいい大工でも無愛想で話しにくかったり、
相談しにくかったりするような人では
安心して施工を任せられないと思います。
「現場のことに口出しするな」というような大工だと、
気になることが出てきても気軽に聞けないですよね。

工事中に想定外のトラブルが起こり、
施主と大工が相談しなければならない状況になることも十分にあり得ます。

そのため、依頼主である施主と大工が普段からコミュニケーションを取りやすい雰囲気が大事なのです。
施工中でも気兼ねなく質問し、嫌な顔をしないできちんと答えてくれるような大工なら、
安心して任せられませんか?

初回対面時の挨拶

昔ながらの腕の良い大工さんの中には、無愛想な人も多いようですが、
そのような人でも挨拶はしっかりしてくれます。
挨拶がしっかりできない人や、対面時の態度が悪い人は腕の良い大工とは言えないでしょう。
1つ前の項目でもお伝えしましたが、実際の工期の間、
コミュニケーションがしっかり取れるような棟梁や大工でないと
安心して家づくりをお願いできませんよね。

まとめ

家づくりといえば大工の腕の良し悪しで決まるという時代がありましたが、
木造住宅の設計・建築方法がプレカット工法に変わってきたことでそれも関係なくなり、
職人気質の腕の良い大工が減ってしまったという現状があります。

しかしそれでも、大工の腕前はいまだに家の仕上がりを左右する大きな要因となります。

安心して暮らせる家を建ててもらうには、
良い大工、工務店を検討し、施工を依頼することが重要です。

細かな造作仕事まで手を抜かずに丁寧な仕事をしてくれて、
人当たりが良く相談しやすい大工を選べば間違いないです。

そのためには、大工の腕を見極めるポイントを知ることや
住宅展示場や現場見学会などに足を運ぶ行動力が必要になります。

家づくりを成功させるために、腕の良い大工を自分の目で見分けられるようになりましょう。

よくあるご質問

大工に向いている人の特徴は?

体力と手先の器用さがあり、ものづくりが好きな情熱のある人です。
また、正確な作業や空間把握能力が求められるため、丁寧さや集中力も必要です。
さらに、現場ではチームで協力することが多いため、
協調性やコミュニケーション能力、柔軟な対応力も重要になります。

良い工務店の特徴は?

希望に沿うような施工実績があり、
こちらの要望や不安を伝えやすい環境が整っていて、(担当者とのコミュニケーションが円滑)
契約前後のアフターメンテナンス体制がしっかりしています。
現場を見学できると、より信頼性が上がるでしょう。
現場を綺麗にし、整理整頓し、作業を丁寧にしている工務店は良い工務店です。

大工さんは1日いくらもらえる?

大工の日当は、経験や技術、地域、請負形態、工事内容によって大きく異なります。
見習いで約1万円前後から、熟練職人で1万5千円~2万円、
一人親方では2万5千円~3万5千円程度が相場です。
熟練した棟梁クラスになると、さらに高額な報酬が期待できます。

大工に大切なことは何ですか?

技術、体力、コミュニケーション能力、そして粘り強く仕事に取り組む姿勢、
ものづくりへの想いや情熱が大切です。
重い資材を運んだり、厳しい環境下で作業したりするために体力は必要ですし、
技術には、正確な道具の使いこなしと、設計図から完成形をイメージする力が必要です。
また、他の職人や建築士と円滑に連携することや
依頼主の要望や不安に対応するためにコミュニケーション能力は不可欠。
そして単に建物を建てるだけでなく、依頼主の夢を形にし、
何世代にもわたって残るものを作り上げる責任と誇りを持つことが求められます。

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