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防音と遮音の違いって何?防音の基礎

2024/05/13
2024/05/13

マンションなどの集合住宅、戸建ての住宅においても近隣クレームとして最も多い「騒音問題」。

みなさん一度は悩んだことがあるかもしれませんね。
子どもが走り回る音や夜泣き、生活音、楽器演奏、映画鑑賞など、室内の音が近隣への迷惑にならないか不安な場合には、室内の音を漏らさないための対策が必要です。

そうなるとやはり何か対策をしなければ!音を防ぐためには防音?と考える方が多いと思います。
今はインターネットで「騒音対策・防音」と調べればたくさんの情報が出てくる時代ですので、すぐに対策に取りかかれますよね。

しかし、情報の中には普段聞き慣れない専門用語も多くありますし、結局言葉の意味がよくわからないまま騒音対策のグッズをとりあえず購入・・・なんてことも十分あり得ると思います。

今回は騒音対策・防音に大事な用語と防音の基礎についてお伝えしますので、用語の意味や違いを知り、効果的な騒音対策をしましょう。

アトピッコハウスの「床遮音材わんぱく応援マット」は、床材との組合せで、最大L40の遮音性能を発揮する遮音材です

L40の床遮音材「わんぱく応援マット」の詳細はこちら

遮音性能L40 わんぱく応援マット

床遮音材 わんぱく応援マット

防音対策でよく見るワード「防音」・「遮音」

自然素材の内装材専門メーカー、アトピッコハウスの成川です。

騒音対策についてインターネットで調べた時に、「防音」と同じように「遮音」という言葉が使われていませんか?
どちらも音を防いでくれることだろう、とあまり深く考えることはないかもしれません。

しかし、騒音対策をする上では大事なキーワードなので、今回はまず「防音」、「遮音」についてそれぞれの意味と2つの言葉の違いを知りましょう。

防音と遮音の違い

先ほどもお話しした通り、騒音対策と調べれば同じように出てくるのでわかりづらい「防音」と「遮音」ですが、明確に違いがあります。

「防音」という言葉は、外の音が室内に入ったり、室内の音が外に漏れたりするのを防いだり、音を小さくさせるといった概念的なもので、具体的な「方法」を意味する言葉ではありません

そして「遮音」は実際に防音するための具体的な方法や必要な対策の1つなのです。
防音対策、防音素材と言われるものは、実際には遮音などを機能させる対策や素材のことを指しています。

そもそも防音って何?

さらに詳しく説明すると、「防音」は、「遮音」だけでなく「吸音」という方法を含む「音対策の総称」で、遮音と吸音は、防音のための方法になります。
「遮音(音を跳ね返して反射させることで音を通さないようにすること)」だけではなく、「吸音(音を吸収して小さくすること)」と一緒に組み合わせることで、外部の音が室内に入ったり、室内の音が外部に漏れたりするのを防ぐことが可能になります。

「防音したい!」のであれば、「遮音」と「吸音」、この2つを同時に考える必要があるということですね。

遮音とは?

次に防音対策の1つである「遮音」について詳しく見ていきましょう。

遮音材は床に使用し、生活音を軽減するのに使えますし、壁や天井に使い楽器演奏をする音や音楽を聴く際に部屋から音をできるだけ漏らしたくない場合にも使えます。
「遮音」は密度が高く重い素材(遮音材)を使うことで、音を遮断して外部に音を漏れさせないようにする方法で、遮音のメカニズムを具体的に言うと空気中で伝わってくる音を跳ね返すことで遮断し、外へ音が透過しないようにする仕組みです。

外に漏れてしまう音の大きさが、小さければ小さいほど遮音性が高いという評価になりますが、特にフローリングでの歩行音やスリッパのパタパタした音、床にスプーンが落ちた時の高い音、椅子を引く音などを含む、床に軽いものが落ちる音(軽量衝撃音)に対する遮音性能を表す指標として、LL-45等の遮音等級「L値」が使われています。
特定の空間性能においてどれだけ音が聞こえるかを評価しています。
この数値は数字が小さいほど遮音性能が高いということになるので、しっかりチェックしましょう。

しかし、遮音性は高すぎると、音が室内に反響しやすくなります。
音漏れの心配が少なくなるのがメリットですが、跳ね返った音が室内で必要以上に反響してしまうリスクもあるので、結果として音が聞き取りにくくなったり、聞こえる音そのものが元の音と変わってしまったりする場合がありますので注意が必要です。

次で詳しくお話ししますが、音を吸収して反射を防ぐ「吸音」と組み合わせることで、反響が軽減され、防音につながります。

アトピッコハウスの床遮音材わんぱく応援マットは合板フローリングとの組み合わせでLL40、無垢フローリング、コルク、クッションフロアとの組み合わせでLL45を取得できる商品です。

床の遮音材「わんぱく応援マット」の詳細はこちら

遮音性能L40 わんぱく応援マット

床遮音材 わんぱく応援マット

吸音とは?

次にもう1つの防音対策である「吸音」です。

室内で声が響いて発言内容が聞きとりづらい場合や、音が響いて騒音となってしまっている場合には吸音材の使用がおすすめです。
「吸音」は特殊な素材を使って音を吸収することにより、音の反射を防ぎ、音が室外に透過することを防ぎます。
また室内において音の反響を抑え、騒音を軽減させます。

「吸音」のメカニズムは、細かい穴がたくさんある素材(吸音材)によって音を取り込み、取り込んだ音が穴を通るときに摩擦が起こり、熱エネルギーに変換されることで音が小さくなるという仕組みです。
通り抜ける音は、吸音材によってある程度軽減されます。

吸収によって反射する音の大きさが小さければ小さいほど、吸音性が高いという評価になります。
しかし吸音性が高すぎると、反響音が減るため、物足りないと感じてしまうケースもあるようです。

アトピッコハウスの床遮音材「わんぱく応援マット」はゴム素材とクッション性のあるフェルト素材でできているので床に敷き詰めるだけでも防音の効果が得られます

床の遮音材「わんぱく応援マット」の詳細はこちら

遮音性能L40 わんぱく応援マット

床遮音材 わんぱく応援マット

手軽な防音?遮音シートで防音はできるのか

マンションや戸建ての家を建てる際、遮音材には、石膏ボードや鉄板、コンクリートなどの密度が高い素材がよく使われます。
しかし、これらの素材は遮音をするために優れている素材ではありますが、重量が重く、施工が難しいですし、費用もかかることから、個人で後から設置するには負担も大きく困難です。
そのため、近い性質をもつ「遮音シート」と呼ばれる商品などを使用するのが現実的です。

遮音シートは壁に貼って音が伝わるのを軽減させるもので、高密度のプラスチック素材や高比重の樹脂が一般的に使われていますが、薄いシート状なので扱いやすいのです。
また、手に取りやすい価格なので防音対策の中ではお手軽と言えます。

しかし「遮音シートを、壁に貼るだけで防音効果があるのか?」と言われれば、残念ながら遮音シートを壁に貼っても、期待する程の防音効果は得られません。
もちろん、いくらかの音は軽減されていますが、私たち人間の耳ではっきりわかる程度に、しっかりと軽減されているかというと、それはとても難しいです。

結局遮音シートでは全く防音できないのかといえば、決してそんなことはありません。
むしろ、吸音材と合わせてご使用いただくことで、大きな効果を発揮します。
吸音材で軽減し、弱まった音の熱エネルギーを遮音材が反射させることで、その音は吸音材に跳ね返り、またさらに小さくなって遮音材が遮断してくれるのです。

ちなみに、よく一緒にされがちな「防音シート」ですが「吸音」効果と「遮音」効果をあわせ持ったシートのことです。
それだったら、「防音シートは完璧だ!」と思われるかもしれません。
実は、基本的に数mm程度のシートで、吸音と遮音の効果がどちらもあって、なおかつ防音効果の高いものはないのです。
よくホームセンターやインターネットショップなどで謳われている「防音シート」と言うのは、そのほとんどが「遮音シート」であることが多く、まれに厚みのあるものだと「吸音材」や「防音マット」などが合わせて「防音シート」として紹介されていることもあります。
そのため、「防音シート」と名のつく商品を検討される際には、その商品にどういった特徴があるのかなども確認していただくことをお勧めいたします

防音グッズを組み合わせて防音対策

防音の基礎として、防音対策においては遮音と吸音を組み合わせることが大事だと言えます。

特にマンションなどの集合住宅で騒音・防音対策をするとなれば、部屋から生活音が音漏れすることに対して遮音材で対策をし、その上から吸音材を組み合わせることで、音を反射させた上で吸収するという効果の高い防音対策ができ、「外に音が漏れないうえに、部屋のなかでも音が響かない」という環境を作ることができます。

また、今回は割愛しましたが、防音の方法には、振動を抑える「制振」「防振」などもあり、こちらを考慮することによって、さらに精度の高い防音が可能になります。

より適切な防音対策を行うためにはこれらを組み合わせることをおすすめします。

防音性の高い家づくりとは

これまで防音対策についてお伝えしてきましたが、防音性の高い家にすることで、静かな暮らし、周囲に迷惑をかけない暮らしを実現しやすくなります。
特にこれから家を建てる方、新しいマンションに住む方はぜひ遮音・吸音を意識した、防音性の高い家づくりを検討しましょう。

・まずは鉄筋コンクリート造の家を検討する
鉄筋コンクリート造の住宅は、木造や軽量鉄骨造と比べると密度が高く、重量もあるため、遮音効果が高いです。
天井や壁、床に吸音材を貼ることで、防音性の高い住宅に仕上げやすいでしょう。

・断熱材の吸音性に注目する
グラスウールやロックウールなどの繊維系の断熱材は、音のエネルギーを吸収するため、吸音材としても活用できます。(断熱材の外側に遮音材を入れる・コンクリート造の住宅に繊維系の断熱材を内張りする)
外側に密度が高く重い遮音材を、内側に吸音材を貼ることで、室内の音が外部に漏れにくく、室外の音が内部に入りにくい家になります。
断熱材について検討する際には、断熱性能だけでなく、防音性についてもチェックしてみるといいですね。

・間取りにも気を配る
音は床を通して階下に伝わります。
たとえば、2階にトイレや浴室などの水回りを配置するとき、その下に寝室や勉強部屋など静かに過ごしたい空間を配置すると、音が気になってしまうかもしれません。
また、ピアノやドラムといった楽器を設置するときは、外壁の裏側ではなく、室内を区切る壁側に置くようにしましょう。
隣家に音を漏らさないための対策になります。

・床・壁・天井は二重構造にする
床・壁・天井を二重構造にすると、音が外部に伝わりにくくなります。
床を二重構造にすると、音の振動が直接外部に伝わらなくなるため、遮音性を高められます。
また、天井を二重構造にすることには、防音性を高められるだけでなく、梁やダクトが見えなくなり、見た目がすっきりするというメリットもあります。

・排水管・配管スペースにも対策する
排水の音が気になるときは、排水管に防音材を直接巻く方法も検討できます。
上階にトイレや浴室などの水回り設備がある家なら、階下への音漏れを防ぐためにぜひ実施しておきましょう。
配管がとおるスペースの壁面に遮音シートを貼る方法もあります。
流水音が気になる場合は、排水管と配管スペース両方の防音対策を実施するのがおすすめです。

・防音ドアを取り付ける
防音ドアとは、その名のとおり防音性の高いドアで、重く、気密性が高い点が特徴です。
楽器を演奏する部屋やシアタールームなど、ドアからの音漏れが気になる部屋には、防音ドアの設置を検討しましょう。

・遮音フローリングを敷く
床の音が気になる場合は、遮音フローリングを敷きましょう。
遮音フローリングとは、遮音材が組み込まれたクッション性のある床材で、床の衝撃音を軽減してくれます。
無垢フローリングと比べて弾力性があるため、転倒した際のケガのリスクを抑えられ、高齢の親世帯が暮らす空間や、子ども部屋の床材におすすめです。

以上が、防音性の高い家づくりのポイントです。

まとめ

今回は、騒音・防音対策で見かける「防音」・「遮音」などの専門用語についてと、防音の基礎についてお伝えしきました。
それぞれの言葉の意味の違いを知り、遮音と吸音の両方に注目した防音対策が必要です。

特徴を知って使い分け、組み合わせるなどして効果的な騒音・防音対策をすることで、トラブルのない静かな暮らしにしましょう!

そして、これから家を建てる方、新しいマンションに住む方はぜひ遮音・吸音を意識した、防音性の高い家づくりを検討しましょう。

アトピッコハウスの床遮音材わんぱく応援マットはフローリングの下に敷くタイプですが、合板フローリングとの組み合わせでLL40、無垢フローリング、コルク、クッションフロアとの組み合わせでLL45を取得できる商品です

L40の床遮音材「わんぱく応援マット」の詳細はこちら

遮音性能L40 わんぱく応援マット

床遮音材 わんぱく応援マット

よくある質問

防音は遮音と吸音の順番でやるべきですか?

まずは「遮音」の対策をしましょう。
遮音材で音が漏れるのを防ぎ、遮音材で反射した音を吸収する吸音材を使うことによって音が響くのを防ぎ、「外に音が漏れないうえに、部屋のなかでも音が響かない」という環境を作ることができます。

遮音シートだけで防音効果は出ますか?

遮音シートだけでは期待している程の防音効果は出ません。
そもそもシート状で薄いため、単体で効果を感じにくいでしょう。
遮音シートで反射させた音を吸収してくれる吸音パネルなどの吸音材や他の防音グッズと組み合わせることで、音の反響も防げ、防音効果がグンとあがります。

鉛シートと遮音シートのどちらが防音によいですか?

鉛は密度11.34 g/cm3で、質量差からはるかに遮音シートより防音効果が高いです。
防音効果だけでいえば鉛シートと言えますが、シートタイプの割に重量があり、鉛素材のため、取り扱いには十分注意が必要です。

防音シートと遮音シートの違いは何ですか?

「防音シート」は「吸音」効果と「遮音」効果をあわせ持ったシートのことです。
「遮音シート」は「遮音」効果を持ったシートのことです。

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