畳の裏返しとは?畳の裏返しについて解説します
畳のメンテナンス方法の一つ、「裏返し」についてご存じでしょうか?裏返しと聞くと、畳を一旦外してひっくり返し、裏面を使う方法をイメージするかもしれませんが少し異なります。
今回は畳の裏返しについて畳の構造から具体的な施工方法、費用やポイント、張替えの目安、表替えとの違いを詳しくご紹介していきます。畳を少しでも長く使いたいとお考えの方はぜひ参考にしてください。
アトピッコハウスの「ほんものたたみ」は宮城県産のワラ床と熊本県産のイグサでできた純国産の畳です。
目次
畳の構造について
自然素材の内装材専門メーカー、アトピッコハウスの日比野です。
畳の裏返しの前に、まずは畳の基本情報を理解する為、構造について説明します。畳は「畳表」「畳縁」「畳床」の三つの素材で構成されています。
畳表
畳表はイグサで織られた畳の一番上のゴザの部分です。イグサは天然素材なので、水分を吸収しやすくシミや汚れが付きやすい、また日焼けや表面が解れてきてしまうなどのデメリットがあり、一番メンテナンスが必要な部分になります。
1枚の畳には4~8千本のイグサが使われており、裏返し、表替えを行うのはこの部分になります。
畳縁
畳縁は畳の側面を保護する布生地の部分になります。畳の角の摩擦を防ぎ、また畳を敷く際の隙間を埋める役割もあります。従来の畳縁には錦糸や絹糸などが使われています。畳縁は、模様や色によって身分等を表す時代もありました。
畳床
畳床は天然の藁で作られる畳の芯となる部分で、構造上畳の機能や性能を決める重要な部分です。畳表で隠れているため、普段はあまり意識しない部分かもしれません。
アトピッコハウスのほんものたたみは熊本県産の減農薬イグサを使っています。
畳の裏返しって?表替え、新調との違い
長い間使用した畳は、変色や傷、擦れなどの経年変化が出てきてしまい、細かいゴミや埃が足や体に付いてしまいます。そうなるのを防ぐ為にも一定の期間でメンテナンスが必要になります。その一つの施工方法として畳の裏返しがあります。
畳の裏返しとは、畳床はそのままで畳表を一度剥がし、傷みの少ない面に裏返して再利用し、畳縁を新しく付け替えることです。畳表は両面使えるので、表面のゴザ部分を裏返します。畳の裏返しのメリットは、同じ畳表を使用して、長い年数畳を使用できることです。
畳のメンテナンス方法はこの他に表替えと新調があります。表替えとは畳床はそのままで、畳表と畳縁を新しく付け替える施工方法です。新調はその名の通り畳全体を新しいものに丸ごと取り換えることです。裏返し、表替え、新調、どのメンテナンスを行うのかは畳の状態や使用年数によって変わります。
畳が傷む原因
畳が傷む原因としてまずは湿気が挙げられます。畳には調湿性能といって、湿気を吸ったり吐き出したりする機能があります。湿度が高い環境では畳の中に水分が溜まってしまい、カビやダニなどが発生し劣化の原因となってしまいます。
その他には経年劣化、重い家具を置いたことによる凹み、また、冬場のファンヒーターによる熱風や、掃除機の強い吸引力の影響など、物理的な要因により畳表が傷んでしまうこともあり、メンテナンスが必要になります。
裏返しができる畳
イグサ畳、和紙畳や樹脂畳など素材に関係なく、畳縁が付いた畳ならば裏返しができます。
裏返しができない畳
畳表の汚れや液体によるシミが裏側まで浸透している、表面が破れたり穴が開いている畳は裏返しができません。また、設置から20年ほど経過した畳は裏返しをしてもきれいにはなりません。こういった畳は裏返しをしてもメリットがなく、メンテナンス方法は表替えか新調による施工になります。また、琉球畳も裏返しができません。
畳の裏返しのタイミングや時期について
畳の裏返しのタイミングとしてベストな時期は畳の購入から3~5年後です。大体その時期から畳表の色褪せが出てきたり、表面のささくれが目立ってきます。また、段々とイグサの香りも感じられにくくなってくるため、そのまま使い続けるメリットもなくなってきます。
畳の裏返しをすることで、さらに数年の間、畳の表面を使用できるようになります。注意すべき点は、畳表の厚みによって裏面が変色するスピードが違う点です。厚い畳表の場合は、5~7年と比較的長い間使用できます。厚みが薄い畳表の場合は3年以内に裏返し、その後は表替えで対応をしましょう。
アトピッコハウスの国産「ほんものたたみ」には、縁ありと、縁無しの両方の畳があります。お見積りも可能です。
畳の裏返しの費用の相場って?
畳の裏返しの施工費用の相場は大体、畳1畳あたり3~5千円程度が目安です。畳表を剥がすだけではなく、畳縁を新しいものに張替えるための費用なども含まれています。また国産と中国産のイグサの違いでも値段が異なります。
業者によっては、畳縁の張替え費用が別途料金となり、好みのデザインを対応してくれる場合もあります。畳縁を変えるだけで部屋のイメージが一気に変わります。メンテナンスをするタイミングで好みの畳縁を選び、部屋の模様替えを検討してみるのもいいかもしれません。
表替えの場合は5千~2万円、新調する場合は1~4万円、高級畳に取り換えると4万円以上になることもあります。費用相場に幅がある理由は、新しく張り付ける畳表のグレードや産地などの要素が関係しています。従って裏返しは畳のメンテナンス方法の中では比較的お手軽でリーズナブルな施工方法になります。
畳のメンテナンスにかかる費用は施工費を含んでいることが多いですが、業者によっては家具の移動費用やその他手数料を別途請求されることもあります。見積りの段階で費用の内訳や作業範囲の確認、追加料金がかからないかどうかを明確にしておきましょう。
DIYでの裏返しは可能?
説明だけ聞くと、畳の裏返しは簡単な作業に思えるかもしれません。ですが畳の裏返しは畳のメンテナンスの中でも高い技術が必要になる方法です。畳表を傷めないように剥がし、皺が寄らないように固定をする、といった特別な技術が必要なのでDIYで対応するのは難しい作業になります。
DIYは得意だから自分でやろうと情報を集めて挑戦したものの上手くできなかった、畳表を傷めてしまったといった失敗談は少なくありません。大切な畳だからこそリスクを考えるとメンテナンスはプロの業者に任せるのが無難です。
その場合、近年では住宅での施工は行わず、業者が一度畳を預かった後、工場で張り替え作業を行う方法が主流となっています。依頼する部屋の広さによっては当日中に納品されることもありますが、20帖以上など大量注文となる場合はそれなりの日数と費用を要します。業者に見積をしてもらい、検討してみてください。表替えの場合も同じです。
和紙畳の裏返し
イグサの代替として開発された和紙畳という畳があります。和紙をこより状に巻き、それを樹脂コーティングした素材で作られています。イグサの風合いや質感を再現しつつ、色褪せが少ない、撥水性もありカビの発生やダニの増殖が抑えられるため、健康や衛生面を心配する方などに人気があります。
この和紙畳もイグサ畳と同じように裏返しをすることができます。耐久性が高いため、裏返しのタイミングは設置から5~10年が目安となります。長年経過すると細かい傷の中に汚れが入り込み、色がきます。その前にメンテナンスをしましょう。
アトピッコハウスは昔ながらの「ほんものたたみ」の販売をしています。畳工事も承っています。お気軽に畳の悩みをご相談ください。お見積りも可能です。
まとめ
今回は畳の裏返し方法、タイミング、費用、メリットなどについてご紹介しました。畳のメンテナンス方法は全部で3種類あります。そのうちの一つである「裏返し」は、もともと張り付けられていた畳表を剥がし、裏面を利用する方法です。
畳のメンテナンス方法の中では最も手軽に、費用も抑えつつ、畳を長期間快適に使用できる施工方法です。職人の技術が必要になるため、DIYで行うのは難しくおすすめできませんが、畳を設置してから3~5年後を目安に、是非裏返しを検討してみてください。
よくある質問
畳は裏返して使えますか?
畳表の表裏をひっくり返しメンテナンスしながら使用することで、和室をより長くきれいに使うことができます。
畳を裏返すのにいくらかかりますか?
畳の裏返しの料金相場は1畳あたり約3〜5千円ほどで、新調に比べて30~50%ほどメンテナンスのコストダウンができます。
畳の裏返しは何年ごとにするべきですか?
畳の裏返しは1枚につき一度しかできません。新しい畳で最初の裏返しを行う時期は平均で5年程度、さらに4年~7年で表替えを行うのが相場と言われています。 この工程を経て10~20年経過したら、新しい畳への全交換のメンテナンス時期です。 畳の寿命は20年ほどですが、お手入れ次第で40~50年使用できるともいわれています。
畳の裏返しができない場合、どうすればいいですか?
設置から20年以上経過している、畳の表面に穴が開いている、シミが浸透している場合は裏返しができません。畳を長持ちさせる為にも、その場合は表替えや新調でのメンテナンスを検討しましょう。
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