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塗り壁材は、原料が「土」なので、ベースを白にしない限り、どうしても濁ったカラーバリエーションになってしまいます。そこで、ちょっと面倒ではあるのですが、酸化チタンなどの「白い原料」を混ぜてベースを白くし、それから「着色成分」を混ぜたりします。
着色成分として使われるものは、天然の「染泥」であったり、石油系の顔料であったり、天然の顔料であったりする訳です。
黄色や赤といった「色土」が売られているので、表現したい色の種類や濃さ、カラーバリエーションに応じて、色土の種類や量を使い分けます。とてもシンプルな着色方法ですが、色のバラツキが多いため、「発色」にムラが出来ます。
天然のものだから、ある程度は仕方がないと大らかに考えて頂ける場合は問題がないのですが、微妙な色合いを精度高く表現したいとなると難しくなります。
ただ、塗り壁は、同じ製品であっても、施工時期の気温に左右されるので、夏場の施工と、冬場の施工では、冬場の施工の方が、色が1ランク薄くなる傾向があります。
それは、乾燥したり、固まったりするスピードが違うので、そうしたことが起こるのです。これは、左官材料の常識です。
石油系の顔料というのは、石油を原料として、化学的に作られた着色料ということになります。人工的に作るものなので、色のバラツキが少なく、狙った色になりやすいという特徴があります。
壁に塗り固めてしまうものではありますが、体に悪そうということで、敬遠される方がいらっしゃるのも事実です。
そして、施工時の気温によって、色の発色が影響を受けるという点は、天然の染土と同じです。これは、硬化スピードの問題です。
弁柄は、「赤」というイメージを持っている方が多いと思いますが、黄色も青もあります。粒子を調整することで、様々な色を作り出すことが出来るのです。
最初から着色されている場合もあれば、「色粉」と呼ばれる着色料として別添されたものを、施工時に混ぜるという場合もあります。
色粉が別添されている場合は、製品1袋につき、1個の色粉を混ぜることが基本なので、全量を入れて、「正規」の色が発色するということになります。
アトピッコハウスの塗り壁の着色方法は、当初は「天然の染土」を使用していましたが、冒頭にお話ししたように、色のバラツキが頻繁に発生することと、原料の枯渇の問題もあって、「弁柄」に変更してきました。
弁柄は、酸化鉄の粒子を調整したものなので、色が安定していて、原料の枯渇もない、しかも石油系の顔料のような安全性に不安もない。
珪藻土塗り壁「はいから小町」も、花の塗り壁「漆喰美人」も、原料が「白」なので、ベースの色を「白」に整える必要はなく、そのまま着色しています。
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