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珪藻土は、自然素材だから調湿性能があると考えている方もいると思いますし、そう言っている業者の方も、いると思います。
しかし、自然素材だから調湿する訳でもないし、調湿性能がいい訳でもないのです。
一番正しいのは、客観的な評価基準に基づいて、調湿性能を評価すべきだし、メーカーは、その数値を明示すべきだと思うのです。
では、調湿性能の客観的評価基準とは、どんなものでしょうか?
詳しく解説したいと思います。
JIS規格という工業製品の評価基準がありますが、調湿する建材にも、JIS規格に、評価方法が定められています。
つまり、一定の評価方法に基づいて、調湿性能が測定されない限りは、実際に、どの程度の調湿性能があって、
果たして、それば、優れているのか、劣っているのか分からなくなります。
自然素材だから調湿するというイメージ先行で商品選びをすると、あとで後悔するといったことも起こる訳です。
これは、実際にあった話ですが、漆喰でも結露しますし、カビや苔も生えます。
調湿性があるとされる建材の評価基準は、JIS A6909という試験方法に基づきます。
まずは、実際に建物の壁に塗るときと同じ厚み、同じ施工方法で作った「試験体」の見本を作ります。
試験体そのものは、小さなもので問題ありません。
あとで、1m²だったら、どんな結果になったか、換算をするからです。
珪藻土の塗り壁の場合であれば、小さな板に、珪藻土を塗って、完全に乾くのを待ちます。
その後、試験体を温度23℃、湿度45%RHの恒常機内に48時間静置し、試験体の湿度を安定させてから、
重さを計ります。
そして、ここからが測定の始まりです。
まずは、試験体を温度23度、湿度90%RHの湿度の高い状態に設定にした恒常機内に、24時間静置し、
湿気を吸って、試験体が、どの程度重くなったかを確認します。
そして、今度は、温度23℃、湿度45%RHの湿度の低い状態に設定した恒常機内に試験体を移動させ、24時間静置し、
湿気を吐き出して、試験体が、どの程度軽くなったかを確認します。
24時間単位で、湿気を吸収させたり、放出させるという作業を繰り返し行います。
湿気を吸って重くなった試験体と、湿気を吐き出して軽くなった試験体の重さの違いを弾き出します。
それが、吸放湿できる水蒸気の量ということになるのです。
漆喰は、調湿する壁だと思われています。
事実、ある程度は調湿します。
しかし、先ほどのJIS規格では、1m²あたり、24時間で、70g以上調湿しない塗り壁は、調湿建材として、認めていません。
70g/m²/24hと表記しますが、最低、これ以上の性能が要求される訳です。
一般的に漆喰の調湿性能は、40g/m²/24h程度と言われていますので、その意味では、漆喰は調湿建材ではないということになります。
自然素材の中には、吸湿は得意でも、放湿を得意としていない素材もあります。
シリカゲルなどは、その典型です。
除湿剤として販売されていますので、吸湿はしますが、放湿はしません。
そりゃあ、放湿したのでは、折角除湿(吸湿)したのに、意味がなくなります。
ただ、調湿性能を期待する塗り壁の場合は、吸湿と放湿の両方をしてもらわないと困る訳です。
だから、キチンとした製品の場合は、吸放湿量(調湿能力)が明示されている訳です。
吸湿能力が高くても、放湿能力が高くないと、調湿能力があるとは言いません。
そして、JIS規格においては、最低70g以上調湿しないと、調湿建材とは求めていない訳です。
珪藻土に限らず、調湿性を期待する塗り壁は、長期的に調湿能力が衰えないことが重要です。
しかし、漆喰などは、もともと石灰岩を砕いて、焼成した消石灰を原料として作っていますので、
施工後、年々に硬くなり、最終的には、石灰岩に戻ります。
つまり、調湿のメカニズムは、塗り壁材の中にある「すきま」に、水蒸気の「粒」が一時的にくっつくというものですから、
隙間がなくなれば、調湿しなくなるということなのです。
つまり、石灰や消石灰を成分に含んだ塗り壁は、年々調湿性能が落ちて行く可能性があるということになるのです。
塗り壁の中でも、調湿性能が高いのは、珪藻土の塗り壁です。
そして、珪藻土の塗り壁が調湿性能を発揮するのは、珪藻土の穴のお掛けで、
調湿性能とは、吸湿と放湿の両方の性能がよくないとならないということなのです。
アトピッコハウスの珪藻土塗り壁はいから小町は、調湿性能241g/m²/24h(JIS A6909で測定の結果)です。
これは、実に一般的な漆喰の6倍程度の調湿量に匹敵します。
しかも、はいから小町には、糊も、接着剤も石灰も使われていないので、半永久的な調湿性能が衰えるということはないのです。
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