フローリングの無垢と合板の違い、それぞれのメリット・デメリットは?
- 16
- 9月
- 2016
一般的な合板フローリングと、こだわりの無垢フローリング。
どちらが良いのか悪いのかは、人それぞれです。
簡単にそれぞれのメリット・デメリットをまとめました。
合板:安価でデザインが豊富。しかし劣化したときにみすぼらしく、べたべたしやすい
無垢:高級感があり、耐久性が高い。しかしやや高額で、膨張や割れを起こす可能性がある
このように、両方のメリットとデメリットを知っておけば選択しやすいと思います。
なぜ合板フローリングが圧倒的なシェアを占めているのか、無垢フローリングにはどんな問題があるのか。
詳しくお伝えします。
合板フローリングが人気な理由は価格面とデザインの豊富さ
自然素材の内装材メーカー、アトピッコハウスのスタッフ尾崎です。
一般的な住居に使われているフローリングはほとんどが合板フローリングで、ハウスメーカーや工務店の標準施工の床材として多く用いられています。
合板フローリングは、複合フローリングとも呼ばれますが、薄くスライスした木の板(突き板)を何枚も重ねあわせて作ったものです。
さらに、合板フローリングには次のようなものがあります。
- 表面に綺麗な木の薄板を貼ったもの(天然木化粧)
- 合成樹脂類で被膜した合板を貼ったもの(オーバーレイ)
- 塗装やプリントなどの加工を施したもの(特殊加工化粧)
合板フローリングのメリット・デメリット
前述の通り、ほとんどの住居では合板フローリングが使われています。そのメリットは次の通りです。
- 季節などによる収縮がないので施工が楽
- 表面加工の種類が多いので、好みのものが見つかりやすい
- 大量生産されているので、安価
- 表面コーティングされているので、汚れにくい
などがあります。
実は、一般的なハウスメーカーが合板を勧めるのには、施工が楽という大きな長所があるのですね。
また水を吸わないようなコーティングがされているので、食べこぼしなどが気になるご家庭では合板フローリングのほうがお手入れが楽かもしれません。
反対に、合板フローリングにはどんなデメリットがあるのでしょう。
- 塗装が剥がれてきたら一気に劣化する
- 耐久年数が短いので、結果的に割高になる
- 調湿性がないので、湿気でべたべたする
- 大量の接着剤が使われている
表面のコーティングは、時間と共に剥がれてきます。
特に、フローリングに固いものを落としたりするとすぐに剥がれ、表面がえぐれて、下の部分が見えてしまいます。
我が家の合板フローリングもそうなのですが、表面とその下では木の材質も色も違うのでえぐれた部分がとても目立つのです。
表面の色と似た色のマジックを塗ってごまかしたりラグを敷いてごまかしたりしていますが、一旦劣化し始めると、一気にみすぼらしくなってしまうのが合板フローリングの欠点です。
単価が安くても、結局何年後かに全面張替えることになるので結局高くついてしまう…ということもあります。
また合板フローリングには大量に接着剤が使われており、精神的な疲れや集中力の低下、頭痛などを引き起こす「シックハウス症候群」や、アレルギーの原因になる可能性もあります。
無垢フローリングのメリット・デメリット
では無垢フローリングのメリットを挙げてみます。
- 見た目の高級感がある
- 木の香りが楽しめる
- 木独特のぬくもりがあるので冬場でもヒヤっとしない
- 調湿機能により、いつでもサラサラ
- 耐久性が抜群に良い
- 古くなっても味が出て美しいまま
無垢フローリングは、1枚の木から削り出しているので「単層フローリング」とも呼ばれます。
無垢材でできたフローリングにはさまざまな長所がありますが、なんといっても、その心地よさが一番の長所でしょう。
夏も冬も常に裸足で歩きたくなる足触りなのが無垢フローリングです。
表面と中の部分が同じ材質なので、多少傷ついても目立ちません。
ひっかかる場合は、やすりをかければほぼ元の状態に戻ります。
世界遺産である法隆寺は、1300年経った今でも現存しています。
法隆寺に使われているのは、無垢の代表、ヒノキです。
ヒノキは無垢材の中では柔らかく、傷がつきやすい樹種ですが法隆寺が今でも立派に現存していることがその丈夫さを充分に立証していると思います。
しかし、無垢フローリングにはデメリットもあります。
- 木の収縮作用により、隙間ができたり膨張する可能性がある
- 節や木目が目立つものが多い
- 経年によって色味が変わってくる
- 汚れを吸いやすい
- 施工に手間がかかる
- 合板フローリングに比べて単価が高い
無垢材は水分の吸収・放出をしやすいため、隙間ができたり膨張したりします。
しかし、この問題は、施工する時の工夫で解消できます。
またフローリングに節や木目があると、部屋の印象が変わってきます。
しかし、節や木目は無垢フローリングの良さでもあるので、唯一無二の部屋作りにはお勧めです。
経年による色の変化も、決して劣化ではなくツヤを増して飴色に変化していく様はむしろ美しいです。
お手入れも、基本的には掃除機をかければOK。
しかし、普段無垢フローリングを扱っていない業者は施工後のクレームなどを恐れて合板を勧めてきます。
無垢フローリングのデメリットというのは、住み手にとってのデメリットではなく、ほとんどの場合が施工業者にとってのデメリットと言っても過言ではありません。
とはいえ、無垢フローリングはそれだけ施工に手間がかかります。そのため、合板フローリングより高価であるというのが最大のデメリットです。
合板か無垢、それぞれどの部屋におすすめ?
ここまでお伝えした内容をもとに、合板フローリングがおすすめな部屋、無垢フローリングがおすすめな部屋をまとめました。
合板:キッチン・トイレなどの水周り
無垢:リビングや寝室、子供部屋
合板は収縮や膨張が少ないため、水気には強いです。そのため、キッチンやトイレなど水を使う部屋では合板が向いています。
また無垢材は断熱効果があるため、夏は涼しく、冬は温もりを感じられます。そのため、生活の拠点となるリビングや寝室、子供部屋に無垢フローリングは最適です。
無垢フローリングは扱い慣れた工務店に頼む
このように、安価でデザインが豊富な合板、少々高額だけど木の温もりを感じられ経年変化を楽しめる無垢、それぞれに魅力があります。
合板フローリングを扱える業者は多い反面、無垢フローリングは扱える業者が少ないです。
ですから、無垢フローリングを採用するにあたって一番大事なことは、無垢フローリングを扱える技術を持った本物の大工さんがいる業者を探すことです。
アトピッコハウスの「ごろ寝フローリング」は一般的な無垢材の中でも、反りやゆがみが少なく施工しやすいものではありますが、それでも、無垢の扱いに慣れた業者さんに施工してもらったほうが安心だと考えています。
また、天然の木の特性上、絶対に「収縮しない」「反らない」とは言い切れないので、そのあたりがとても気になる方や信頼できる施工業者さんが見つからない場合は合板フローリングのほうがよいのかもしれません。
無垢材を使いたい!と強い希望がある方は、契約前に、その業者が無垢フローリングを扱えるかどうか、まず確認しておくといいですね。
無料で、資料・サンプル差し上げます
アトピッコハウスは、無垢・珪藻土・漆喰・クロス・畳など、オリジナルの自然素材内装材を、製造販売する会社です。
当社製品を取り入れた家作りをしたいとお考えの方は、無料の資料をご請求頂き、工事を依頼される業者さんに、アトピッコハウス製品を使って欲しいとご依頼ください。