石膏ボードの下地に漆喰を塗る方法を解説
- 27
- 1月
- 2017
壁に漆喰を塗るとき、現代の家ではほとんどの場合、石膏ボードが下地です。
これからDIYで壁に漆喰を塗る人は、石膏ボードにどうやって漆喰を塗ればいいのか分からないという人も多いと思います。
まず、その手順をお伝えします。
- 石膏ボードの継ぎ目やネジ穴を埋める
- ファイバーテープで石膏ボードの継ぎ目を固定する
- 下塗りする
- 漆喰を塗る
この記事では、下地が石膏ボードだったときの漆喰の塗り方を詳しくお伝えします。
石膏ボードに漆喰を塗る手順
自然素材の内装材専門メーカー、アトピッコハウスの後藤です。
冒頭でお伝えした、石膏ボードに漆喰を塗る手順について、詳しく解説していきます。
手順①石膏ボードの継ぎ目やネジ穴を埋める
まず、石膏ボードを繋いでいるネジ穴や、石膏ボード同士の継ぎ目を埋めます。
ネジ穴や継ぎ目と石膏ボードの高さを比べると、ネジ穴などのほうが窪んでおり、段差があります。
下塗りや漆喰を塗るときに表面に凸凹があると、場所によって塗り壁材が乾くスピードが異なり、色ムラが発生する原因になるのです。
当社アトピッコハウスでは、この工程に使える「下塗革命」を販売しています。
この下塗革命で段差を埋めたあと、余った部分は削ぎ落としましょう。塗り壁材が余っていると、それも段差の原因になります。
手順②ファイバーテープで石膏ボードの継ぎ目を固定する
次に、ファイバーテープというメッシュ状のテープを石膏ボードの継ぎ目に貼ります。
このテープを貼る目的は、車の往来や地震などで継ぎ目にヒビが入るのを防ぐためです。
入ったヒビは、そのまま表面の漆喰に表れてしまう場合があり、景観を損ねます。
またファイバーテープを天井など剥がれやすい場所に貼る場合は、タッカーで留めて固定しましょう。
手順③下塗りする
高さが平滑になり、石膏ボードの固定ができたら、下塗りをします。
下塗りをするときには、段差ができないように、平滑になるように塗りましょう。
下塗りにも、前述の「下塗革命」が使えます。
一般的には、ネジ穴などの段差を埋めるパテ埋めと、下塗りは違う塗り壁材を使うことが多いですが、当社の下塗革命ひとつあれば下塗りまでの全てをまかなえるのです。
漆喰を塗る前に下塗りが必要な理由
しかし、「なぜ漆喰を塗る前に下塗りが必要なの?」「漆喰と合わせて2回も壁を塗るのは面倒…」と思った人もいるかもしれません。
もし下塗りをせずに漆喰を塗ってしまうと、さまざまなデメリットがあります。
- 色が汚くなる
- 塗った漆喰がひび割れ・剥がれやすくなる
まず、石膏ボードに直接漆喰を塗ってしまうと、漆喰の色が汚くなってしまう可能性があります。
せっかくの漆喰の風合いが台無しになってしまうのです。
また、下塗りには漆喰などの上塗り塗料との接着力を高める役割があります。
もし下塗りをしないと、漆喰がひび割れてしまったり、剥がれやすくなってしまう可能性があるのです。
手順④漆喰を塗る
下塗り材が乾燥したら、その上から漆喰を塗って仕上げていきます。
当社アトピッコハウスでは、「漆喰美人」という漆喰調の塗り壁を販売しています。
上でご紹介した「下塗革命」と同じメーカーが作っているため、漆喰美人と下塗革命の相性は抜群です!
また漆喰の塗り方も、その方法で風合いが変わってきます。
詳しくは「漆喰などの塗り壁、11種類の仕上げパターン例」をご覧ください。
漆喰風と本漆喰の違い
ここまでは漆喰の塗り方についてご説明してきましたが、そもそも漆喰には「本漆喰」と「漆喰風」があるのをご存知でしょうか。
本漆喰とは、「消石灰」を原料にした塗り壁材です。この消石灰は目に入ると失明する危険性があるため、扱いは危険です。
そのため、本物漆喰は素人の方がDIYで塗るのにはおすすめしません。
また、本漆喰には調湿効果に乏しいです。
一方で、漆喰調とは、塗った後は漆喰のような見た目をした、漆喰とは別の塗り壁材です。
そのため素人でも扱いやすく、また商品によっては調湿効果もあります。
上でご紹介した「漆喰美人」は、本漆喰の2倍以上の調湿性能があります。
漆喰に何を求めるか?
内装の仕上げに漆喰を塗る場合、漆喰に何を期待するのかをキチンと描いておく必要があると思います。
もし、漆喰調の仕上がりを希望していて、調湿性能も求めているのなら、調湿性能が「担保」されている「漆喰風」に仕上がる塗り壁がいいと思います。
本漆喰にしても、漆喰調の塗り壁にしても、現代の住宅ではほとんどの下地が石膏ボードです。
石膏ボードには調湿性能は全くないため、調湿性能の良し悪しは、仕上げ材料の性能で決まります。
石膏ボードに塗る漆喰は「漆喰調」がおすすめ
この記事では、石膏ボードの下地に漆喰を塗る方法を解説しました。
石膏ボードには直接漆喰を塗れないため、下塗りなど下準備が必要です。
もし、調湿性能を期待しているのなら、下地の石膏ボードには期待できません。
漆喰調に仕上がるだけでいいのであれば、本漆喰を選ぶ必要はないと思います。
でも、やはり「消石灰」を使った「本漆喰」がいいということであれば、調湿性能は、期待されないことです。
アトピッコハウスでは、漆喰調に仕上がる「漆喰美人」という塗り壁を作っています。
こちらは、粘土の化粧品などとしても使われるモンモリロナイトを主原料にしていますので、消石灰を使った「本漆喰」ではありません。
しかし、一般的な漆喰の2倍以上の調湿性能があります。
もちろん調湿性能だけに限ったら、珪藻土系の塗り壁の方が、性能が良い可能性があります。
といっても、調湿性能は、JIS規格で、キチンとした評価基準があるので、JISに基づき、どの程度の性能があるのかを調べておかれるといいと思います。