防振材・制振材とは?それぞれの違いと用途を解説!
防振材(ぼうしんざい)、制振材(せいしんざい)という言葉を聞いたことはありますか?
防振材・制振材は防音対策に使用する防音材です。
そして、防振材、制振材それぞれ単体で使われる防音材というよりは、遮音材などと貼り付けて、防音対策をする製品です。では、防振材と、制振材の違いや用途、材料には、どんな特徴があるのでしょうか?
今回は防振材・制振材それぞれの特徴や用途、リフォームをする際の施工方法などを分かりやすく解説したいと思いますので、是非防音対策をする際は参考にしてみてくださいね。
まずは、読み方に関してです。防振材は、「ぼうしんざい」と読みます。そして、制振材は、「せいしんざい」と読みます。振動を防ぐか、振動を制するかですね。同じ防音を目的としていても、アプローチが違います。
目次
防振材とは?
自然素材の内装材メーカー、アトピッコハウスの後藤です。
まず「防振」とはその名の通り「振動を防ぐ」ことを表し、物体と物体が衝突することで振動し発生する音や揺れを防ぐことを意味します。
そして、その性能を持つ防振材は、マンションの隣家、階下に騒音が伝わらないよう、あるいは減衰させることを目的とした防音材です。家の中ですと、冷蔵庫や洗濯機などの脚部分に使用され、発生した騒音や振動が、床や壁などから隣家、階下に伝わり難くします。振動そのものを止めるという意味ではありません。
床の防音材として使われる遮音マットなどは、遮音材と防振材が一体となった防音材で、足音などの振動音が床から下階に伝わりにくくする効果があります。
アトピッコハウスの床遮音材「わんぱく応援マット」は、フェルトとゴムの2層構造です。仕上げ材との組合せで、遮音性能を確保する製品です。
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制振材とは?
「制振」とは騒音の原因となる振動自体を抑制することを言い、制振材は、振動そのものを抑える素材です。冷蔵庫や洗濯機の振動、エアコンの振動、マンションの界壁に伝わる振動などです。比重の重いシートを機械の底の金属に貼ったり、壁の内部に貼ったりします。鉛などが使われていますが、壁表面に貼られる吸音材などともまた違います。
工事が終わると、床の遮音材と同様に見えなくなります。鉄板に制振材を貼って強化し、防音対策することをデッドニングとも言います。
制振材は、振動エネルギーを熱エネルギーに変換して、防音するメカニズムです。振動そのものを抑え込みます。遮音材と制振材の違いですが、遮音材は、音を遮って減衰させるので、制振材とは、構造・メカニズムが違います。
防振材・制振材の種類と選び方
マンション等共同住宅においては、隣家、階下への騒音対策が重要です。そこでマンション管理組合では、「遮音規定」を設けています。また、リフォームをする際には、L40とか、L45といった遮音規定をクリアする必要があります。
効果的な防振対策、制振対策としては、2重床とか、置床と呼ばれる防音下地を作るとか、制振材が付いた遮音フローリングを使う。あるいは、防振材がついた遮音マットを使うという方法です。硬くて剛性のある素材の方が、フェルトやスポンジ、ゴムシートなどよりも性能が高いと思われがちですが、音の種類によって、効果が変わるのです。
床の防音工事においては、防振材、制振材が単体で使われるのではなく、遮音材と、防振材、あるいは、遮音材と制振材が組み合わされて使われます。1つ1つ見ていきましょう。
・2重床、置床
床の防振材の代表的な製品です。2重床、置床と呼ばれる製品で、防振材として機能するゴムがついた支柱をコンクリートの床面に配置し、その上にパーティクルボードなどで、下地を作るやり方です。
費用も手間もかかり、しかも、床が10cmも15cmも上がるので、1部屋だけのリフォームでは採用が難しいと思います。スケルトンリフォーム、フルリノベーションの案件であれば、2重床を組んで工事するという選択肢もありだと思います。
・制振材が貼られた遮音フローリング
フローリングの裏側に制振材が貼られた製品です。こちらは、床のコンクリート面に直接施工できるので、工事も簡単です。欠点としては、費用がそれなりに高いこと、歩行感が悪いことなどが上げられます。
フワフワするとか、船酔いしそうだとか言われる方がいます。また、無垢材フローリングとの組合せ製品などは、種類が少ないため、フローリングを無垢にしたいといったニーズのある方には、向かない製品と言えます。
・床の遮音マット
遮音材と、防振材が一体となった床の遮音材は、床のコンクリート面に直接施工出来て、床の高さを抑えられ、費用も抑えられます。遮音と防振が一体となった製品です。
床の遮音材「わんぱく応援マット」は、最大L40の遮音性能がありますが、合板フローリングとの組合せで、L40、無垢フローリング、クッションフロアー、コルクとの組合せで、L45の遮音性能が確保できています。
サイズは、910mm×455mm、4枚で販売していて、畳1枚分です。
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防振材・制振材で対策できる騒音と使用するメリット
まず防振材を使用するメリットとして、子供の足音や、工場でのモーターの稼働音など壁や床に伝わり漏れる振動による騒音対策に最適です。
これらの振動は一般家庭内のものから大きな工場のものまで防振材を使用し、抑制することができます。マンションなどの集合住宅で子供の元気に走り回る音が下階に響いていないか心配な方は防振材を使用し、防音対策をすると騒音トラブルを防ぐことができるでしょう。
そして、制振材を使用することで物体ものものの振動によって響く騒音を抑制することができます。室外機のモーター音や、家電そのものの稼働音、自動車ドアの開閉音など、制振材も防振材と同じく幅広い場所や用途で使用されます。
そして防振材・制振材共に市販の防振マットや制振シートなどで手軽に対策できることもメリットです。
しかし、防音したい騒音の規模や大きさによっては市販の物では対処できない場合もあるので、その際は専門の業者に相談をしたり、施工を頼むのが良いでしょう。
防振材・制振材で対策できない騒音とは?
ここまで防振材・制振材を使用するメリットをお伝えしましたが、「騒音」と言っても様々なものがあります。その音の種類によっては防振材・制振材では防音対策できない音もあることを忘れないようにしましょう。
対策できない騒音の例として、話声、テレビやスピーカーからの音、楽器演奏の音などがあります。これらの音は、音を遮る「遮音」や音を吸収する「吸音」の性能を持つ防音材を使用するのが効果的です。
防振材・制振材の特徴
遮音材は、比重の重いゴムが使われたりします。有名な材料としては、鉛とかアスファルトといった素材です。塩ビ系の樹脂に、それらを練りこんで作られていました。しかし、鉛は毒性が強く、アスファルトは、熱すると有害物質や、臭気が発生することから、床暖房対応の製品には使用できません。
そこで、非塩ビの製品も作られるようになりました。防振材、制振材としての機能は当然として、住宅環境を悪化させない健康配慮が重要だからです。
床に使われる防振材、制振材は、2重床、フローリング、遮音材と一体となって、防音効果を発揮するのです。
アトピッコハウスの床遮音材「わんぱく応援マット」は、非塩ビゴムと、ケナフフェルトの組み合わせで出来ていますので、温めても有毒ガスは発生しません。
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防振材・制振材の施工方法
・2重床、置床
まずは防振材となるゴムがついた支柱を立てる前に、床面のコンクリートを平滑にします。床が波打っていては、工事が出来ないからです。モルタルを流したり、レベリング材といったものを流したりします。
その後、防振ゴムがついた支柱を細かく床のコンリクート面に設置していきます。床の重みを、支柱だけで支える訳ですから、結構な数の支柱を立てます。
その後、支柱を連結させるために、パーティクルボードと呼ばれる木質系の素材を貼っていきます。さらに、その上に遮音材等を貼る場合がありますから、工事の手間も費用もかかります。
・制振材が貼られた遮音フローリング
2重床を作るよりも簡単な方法ですが、床のコンクリート面を平滑にしないとならないのは、同じです。モルタルを流したり、レベリング材を流して、床の不陸(凸凹)を無くします。
あとは、制振材が貼られた遮音フローリングを貼っていけば完成です。
・床の遮音マット
床のコンクリート面に直接、遮音マットを貼る場合も、下地の準備は同じです。不陸(凸凹)があると工事できないので、モルタルを流したり、レベリング材を流して、不陸を解消します。
あとは、接着剤を使って、床のコンクリート面に遮音マットを貼っていきます。

わんぱく応援マットは、L40の遮音性能
アトピッコハウスの床遮音材「わんぱく応援マット」は、仕上げ材との組合せで、最大L40の遮音性能を発揮します。
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まとめ:おすすめの制振材
マンションリフォームにおいては、管理組合が規定する「遮音性能」をクリアする必要があります。方法としては、2重床を組むか、遮音フローリングを貼るか、遮音マットを使うかの3拓になると思います。
しかし、2重床は工事が大掛かりであり、1部屋だけのリフォームなどには向きません。また、制振材が貼られた遮音フローリングは、歩行感に問題があるという方が多いです。
そこでお勧めなのが、遮音材と、防振材が一体となった床の遮音材の採用です。マンションの管理組合によって、要求される遮音性能は変わりますので、遮音材メーカーに問い合わせて、遮音に関する「試験成績書」を受け取り、申請されると良いと思います。
今回は防振材・制振材について解説をしました。
防振材・制振材はどちらも物体の振動に関係する音について防音対策をする方法ですが、それぞれの使用方法や対策できる音は異なります。
そのため、防振材・制振材それぞれの特性を理解し、今必要なマンション防音リフォーム方法はなんなのか?正しい知識を持ち、適切で効果的な騒音対策を行うことが大切です。
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よくあるご質問
防振材と制振材は、どう違うのですか?
防振材は、振動を防ぐ防音材で、家電の振動音や足音などの騒音を隣家、階下に伝えないようにします。制振材とは、振動が発生する機械とか壁そのものに設置し、振動自体を減衰させる防音材です。用途とアプローチが違うので、騒音対策をする際はその違いをしっかりと確認をしましょう。
マンションの床リフォームには、何を使えば良いですか?
2重床にする、遮音フローリングを使う、遮音マットを使うという方法がありますが、工事が比較的簡単で費用を抑えられるやり方は、遮音マットを使う方法です。アトピッコハウスの床の遮音材「わんぱく応援マット」は、フローリングの上に敷き込むだけの簡単な施工のため、費用も抑えられ、賃貸物件でも床を傷つけることなく効果的な防音対策ができます。
防振材や制振材はどんな素材でできていますか?
防振材は、プラスチックやゴムなどのクッション性や柔軟性がある素材でできており、衝撃を吸収することで物体と物体が衝突した際に発生する振動や音を抑制します。制振材は、コンクリートや鋼、アスファルトなどの硬い素材とゴムなどの柔らかい素材が組み合わさってできており、振動する物体そのものに貼り、振動源の振動を抑制します。
わんばく応援マットは、フワフワしませんか?
床の遮音材 わんぱく応援マットは、最大L40の遮音性能があります。非塩ビのゴムと、ケナフという植物から作ったフェルトの2層構造。しっかりとした踏み心地なので、フワフワするというご指摘は頂きません。遮音フローリングに替わって採用される商品で、マンションや集合住宅での床騒音対策にご好評を頂いています。
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