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和室と畳の魅力を深堀り、和室づくりのポイント

2022/03/02
2023/05/18

昔ながらの日本家屋は畳の部屋が標準でしたが、
マンションをはじめとする現代の住まいでも畳は消えることなく
残っている文化です。

畳を取り入れようかどうか迷っている方に、
畳の良さ、取り入れ方のポイントをこの記事でご紹介します。

アトピッコハウスでは、国産の「ほんものたたみ」をご用意しています。国産のワラ床と、熊本産のイグサ(畳表)で作る昔ながらの「本物の畳」です。

希少性のある「ほんものたたみ」の詳細は、こちら

ほんものたたみ

和室と畳は、日本ならではの文化

茶室

自然素材の内装材専門メーカー、アトピッコハウスの山田です。

畳の歴史は古く、
さかのぼると古事記にも登場しています。

実存する最も古い畳は、奈良時代の「御床畳」(ごしょうのたたみ)です。
木製の台の上にコモを編んだムシロのようなものを重ねて床にし、
表にい草のコモをかぶせて縁取りをつけたもので、ベッドとして使われていたようです。
現在も正倉院に保管されています。

現在のような畳の構造になったのは、平安時代頃と言われています。

部屋全体に畳を敷きこむようになったのは、
鎌倉時代から室町時代ですが、高貴な客人をもてなす部屋に使われるので、
貴族や位の高い武士など、一部のみで一般庶民には普及はしていません。

桃山時代から江戸時代にかけては、茶道が発展し茶室も多く作られました。
このことで畳の普及はすすみますが、それでも身分の高い人だけでした。

一般市民が使用できるようになったのは、江戸時代中期以降と言われています。

和室 畳の特徴とは

畳は、ワラやい草などの植物から成り立っています。

稲ワラの画像

大量の稲わらを圧縮させたワラ床は、
クッション性に優れ遮音性も高いです。

畳表に使われる い草は、断熱性と保温性に富み、
足で触れると夏は涼しく、冬は温かいのが特徴です。

畳のメリットとデメリットをまとめてみました。

畳のメリット

  • 湿度を調整する調湿性能が高い。
  • クッション性がある。
  • 耐久性がある。
  • 防音性に優れている。

畳のデメリット

  • 定期的なメンテナンスが必要。
  • 畳の種類によるが、商品価格、工事費用、メンテナンス費用が高い。

ほんものたたみは、希少性のある国産の「わら床たたみ」です。1年間天然乾燥させた国産のワラを40cmほどに積み重ね5.5cmに圧縮して作っています

1年間天然乾燥させたワラ床を使った「ほんものたたみ」の詳細は、こちら

ほんものたたみ

和室 畳の構造

畳は、大きく分けて3つのパーツに分かれています。

畳床(たたみどこ)

畳の中身のことです。
積み上げると40㎝位の厚さになる大量の稲わらを何層にも積み重ね、
5㎝ほどの厚みに圧縮しています。
現在はワラを使わない建材床が増えています

ワラ床

畳表(たたみおもて)

い草の茎を織り上げたものです。
い草の質や長さ、色や本数によって等級付けされています。
最近では、安価な中国産の畳表を施工するケースが非常に多くなっています

い草の畳

畳縁(たたみべり)

畳の長辺に沿って縫い付けられている帯状の布を畳縁(たたみべり)といいます。
以前は綿糸の黒色や茶色などの無地ヘリが主流でしたが、最近では化学繊維ヘリ、デザイン性のあるヘリが人気です。柄やバリエーションの種類が増えています。

畳縁の写真

なぜ、畳のヘリを踏むと良くないと言われるのか?諸説ありますが、江戸時代は、家紋を入れているヘリが使われており、家の権威や格式を表すものでした。そのため、踏むという行為は権威を踏みにじることになるため、格式を無視した失礼な行為になるので禁忌とされています。

熊本産の「ほんものたたみ」の詳細は、こちら

ほんものたたみ

和室と畳のサイズは地域で異なる

和室の畳1枚のサイズは、大人一人が寝ることができる大きさです。
畳や和室の広さは地域によって種類が異なります。
また、戸建てとマンションのサイズも異なることがあります。

建物を建てる際も、畳の単位である「1畳(じょう)」は空間の大きさを図る基準の一つとされ、畳2帖分の大きさが土地や建物の面積を表す基本単位の「1坪」と同じ大きさになります。

畳のサイズ

  • 江戸間(五八間)1760×880mm
  • 京間(本間) 1910×995mm
  • 中京間(三六間)1820×910mm
  • 団地間(五六間)1700×850mm

使用される地域、建物

  • 江戸間 →関東ほか
  • 京間 →関西
  • 中京間 →中部、東北、北陸ほか 
  • 団地間 →マンション、アパート

<江戸間>
関東をはじめ、静岡以北のエリアで使用されている種類です。
和室6畳で畳全体の広さは9.27㎡です。縦の長さが5尺8寸あることから、正式には「五八間」といいますが、「関東間」や「田舎間」と呼ばれることもあります。

<京間>
西日本、関西・中国・四国・九州がこの種類です。正式には「京間」といいますが、関西間と呼ばれることも。6畳間の広さは10.94㎡になります。

<中京間>
主に愛知・岐阜・三重で多く見られますが、近畿や四国、東北でも使用されている種類です。
畳の大きさは1.82m×0.91mで、6畳間の広さは9.93㎡です。縦が6尺、横が3尺あることから、正式には「三六間」と呼ばれます。

<団地間>
全国のアパート・マンションなどの共同住宅で施工されている畳と部屋のサイズの種類です。
大きさに一定の基準はありませんが、1.7m×0.85mのものが多く、6畳間の広さは8.67㎡ほどになります。一般的に縦の長さが5尺6寸あることから、正式には「五六間」と呼ばれます。

一番大きい京間の6畳で広さは10.94㎡、一番狭い団地間で6畳は8.67㎡です。
西日本の人が都内に引っ越した際に、狭いと感じるのはこのような理由があるからです。

和室 畳の敷き方について

畳のサイズ、和室の大きさは地域によって異なることをご紹介しました。
地域によってサイズが違う畳ですが、
縦横の比率は1:2で共通しているので、組み合わせて四角形の間取りを効率よくつくることができます。
畳の並べ方や配置など、和室のルールをご紹介します。

畳の敷き方

大きく「祝儀敷き」と「不祝儀敷き」に分けられます。
一般家庭では、畳の合わせ目を十字にしない敷き方の「祝儀敷き」が普通です。

祝儀敷き

祝儀敷き


反対に、不祝儀敷きとは合わせ目が十字になるよう向きをそろえた畳の敷き方です。
大広間のある旅館や寺院などで使われる敷き方です。

大広間の写真

不祝儀敷き

畳の敷き方は床の間や入口の位置によって、変わります。
床の間や入口に平行に畳を敷いたあと、ほかの畳を敷いていきます。
床の間は上座になります。畳のヘリが上座にあるのは失礼だからこのような敷き方になっています。

床の間

床の間のある和室 畳の敷き方

4.5畳の間取りの畳の敷き方もご紹介します。
半畳を部屋の中心に敷き、それを囲むように4枚の畳を配置することになりますが、
この敷き方をするときは、周囲の畳が右回りになるようにしましょう。
左回りに畳を敷くことを「卍敷き」と呼びます。昔の切腹部屋はこのような敷き方をしていたため、不吉です。
右回りに敷くのが一般的です。

4.5畳

4.5畳の敷き方

種類が増えている現代の畳

現代の畳の進化は著しく、
メンテナンスが簡単なもの、インテリア性の高いものなど、
種類が増え、「畳=古臭い」イメージは無くなりました。

い草は、鮮やかな緑から味わい深い色に変化していきます。
最近では、和紙を使用した和紙畳もあり、色のバリエーション種類が豊富です。

傷つきにくい、防汚加工、撥水加工がされている畳は、
水拭きができたり、洗剤を使ってメンテナンスすることも可能な種類のものもあります。

グレーや茶色など落ち着いた色の畳は、モダンな印象になります。
畳を洋室にあわせた色にすると、部屋の統一感も出ます。

ほんものたたみは、天然の泥染めで、着色はしていません

天然泥染めの「ほんものたたみ」の詳細は、こちら

ほんものたたみ

琉球畳とは

縁なし、半畳サイズの畳が一般的に琉球畳と呼ばれていますが、
本来は、沖縄地方で栽培される「七島イ」(しちとうい)という植物を使った畳が、
琉球畳と言えます。

七島イが栽培されているのは、今では大分県など一部の地域のみになります。

琉球畳のサイズは、半畳が基本で880×880mmが一般的です。
和室に正方形の畳を敷きこむ琉球畳の空間の住まいは、
シックでモダンな雰囲気で人気があります。

アトピッコハウスでは、本物の「琉球畳」もお作りできますが、「メセキ表」を使った「へり無し畳」をお勧めしています

ヘリ無し畳もある、ほんものたたみのバリエーションは、こちら

ほんものたたみ

畳 和室空間を彩る建具

昔ながらの畳和室は、ふすまや障子などの引き戸で空間を区切っていました。
和室の横には縁側があって、庭の景色もインテリアの一部として楽しめました。

障子 和モダンの部屋

木や紙の素材のふすまや障子は、やさしい雰囲気を醸し出します。

現代の和室は、床の間がない間取りが多いようです。
シンプルでモダンなデザインの襖や障子は、洋風の部屋にも合いますので、
リビングとの間仕切りに使うのもおすすめです。

襖(ふすま)

襖

部屋と部屋を分ける間仕切りとして使われ、お屋敷の壁材としての役割が大きかった襖は、美術品としての価値がある作品もあります。

従来からある襖は、組子の上に襖紙を何重か重ねて貼って仕上げていましたが、
現代の襖は、芯材にプラスチックの発泡体や段ボールを使用している大量生産が可能な襖が主流になりました。

現代では、和室そのものが少なくなったこともあり、襖は押し入れに使われるくらいのことが多くなりました。

木と紙で作られた襖は、自然素材の建具です。調湿性能や断熱性に優れているため、
隙間がなく収納でいっぱいな押入れの通気性を良くし、日本の高湿度な環境にも適していると言えます。

障子(しょうじ)

障子

窓や縁側、部屋の間仕切りに使われる障子は、木の格子組に和紙を張ったものです。

木と紙で作られた自然素材の障子は、調湿性能に優れ、温度変化を和らげるだけでなく、
日差しを和らげてくれる効果もあります。
障子紙は白だけでなく、様々な模様や色の商品があり、
デザイン性がオシャレな格子のデザインの障子は、和室だけでなく洋室にもあわせやすいです。

現代の畳、和室の作り方とは

和室は作らなくていいけど、畳のある空間を作りたい。
リビングの一角に畳コーナーや小上がりを作り、家事コーナーや書斎をつくる事例が増えています。

リビングの一角や続きに畳を入れる畳コーナーは
小上がりにして高さを出すことで、下の隙間に収納スペースができます。

収納スペースには、お客様用の寝具や座布団など格納できるので便利です。

小上がりのある部屋

洋室を和室に、畳敷きにしたい場合、
置き畳がおすすめです。

洋間を畳に変えるリフォーム工事をする場合、
既存フローリングやクッションフロアをはがすのは、施工が大掛かりで費用がかかりますし、
現実的ではありませんので、
多少高さは出てしまいますが、置き畳であれば気軽に購入でき、畳を取り入れた模様替えを気軽にすることができます。
敷きこむだけなので、施工費用がかかりません。

畳 和室のお手入れ方法

昔ながらのい草、ワラ床の畳の場合、
普段のお手入れは、目に沿ってほうきがけや掃除機掛けでOKです。

畳掃除 箒

新しい畳を入れてすぐは、水分が多い状態です。
梅雨時期は湿気過多になるため、カビが生えることがありますが、
消毒用エタノールでカビを除去し、窓を開けて換気をしましょう。

部屋干しなどで湿度が高い状態を作ったり、
畳の上にカーペットを敷いてしまうと、畳が呼吸できなくなるため、
畳の表面は出して、窓を開けて換気をし、通気性の良い状態を保つことが理想的です。

和室 畳の交換方法

畳は、大きく「裏返し」「表替え」「新畳」と3つの交換方法があります。
畳は3つのパーツを組み合わせていると前述しましたが、
畳表のみの交換も可能なのです。
畳交換はDIYではできないので、畳屋さんに施工を依頼します。

裏返し

新畳から5年位が交換目安です。
畳表はリバーシブルなため、ひっくり返して使うことができるのです。
ヘリなし畳は裏返しができません。

表替え

新畳から10年位、裏返しから5年位が目安です。
表面の傷みが目立つが、畳床がへたってなければ表替えでキレイになります。

新畳

古い畳を処分して、一から新しい畳を作ります。
20年位経過した畳は、新畳にすることをおすすめします。

表替えで、ほんものたたみにしていただくことも可能です

表替えも出来る「ほんものたたみ」の詳細は、こちら

ほんものたたみ

和室 畳交換費用の目安

和室から洋室へのリフォームは、畳からフローリングなど仕上げ材の変更となります。
畳は、5㎝位の高さがあるため、高さ調整が必要になります。
また、マンションリノベーションの場合、
階下や周辺住民へ配慮するため、遮音性能の確保が必要となります。

二重床にする、遮音材を入れて工事をするなど、
管理組合に了承を得る必要があります。

遮音を確保するための床工事の場合、二重床や遮音材の他、フローリングの費用、
材料費だけでなく、工事用も必要です。

マンションで和室から洋室へのリフォーム事例の費用相場

費用の相場

畳からフローリングへのリフォーム費用は、9〜35万円(6〜8畳)位です。
襖を洋室建具にしたり、クロスを張り替えたり、和室全体を洋室に変更する場合は、
100万円くらいと金額は高額になります。

畳は遮音性が高いため、高い工事費用を出して洋室にするより、
畳交換して長持ちさせるほうが安く済むこともあります。

畳の交換費用の相場

  • 裏返し1畳 4,000~6,000円
  • 表替え1畳 5,000~20,000円
  • 新しい畳に交換する場合1畳 約10,000〜35,000円

畳は素材や品質により、金額がかなり左右されます。

畳の工事日数

  • 裏返し:当日中に終わります。
  • 表替え:枚数が極端に多くなければ、1日で終わることが多いです。
  • 新畳:採寸から敷き込みまで1週間くらい要します。

まとめ

カラーバリエーションや素材、種類豊富な現代の畳。

レトロなインテリアにも、もちろん合いますが、
現代の畳は洋風の雰囲気にも合わせやすいのが魅力です。

を敷いているスペースがあれば、洗濯物をたたむ家事スペース、
赤ちゃんの昼寝スペースなど、いろいろな使い方ができます

アトピッコハウスの「ほんものたたみ」は、昔ながらの、ワラ床とい草で国産素材。
クッション性に優れた、ワラ床畳で、味わい深い空間を作れます

工事のお見積り、ご相談もお受けしていますので、お気軽にご相談ください

ほんものたたみ

よくあるご質問

和室は、何畳必要?

独立した和室の場合は、最低6畳は、ほしいところです。新築で、リビングに小上がり和室を作る場合も最低4.5畳あるといいですが、スペースが限られている場合、2~3畳でも作ることができます。アトピッコハウスの「ほんものたたみ」は、4.5畳から承っています。

なぜ和室は落ち着くのか?

和室の内装には、自然素材である畳や木材、和紙、竹などが使われることが多く、その素朴で温かみのある質感や香りが、人間の五感に心地よい刺激を与える効果があります。また、畳の上で過ごすことで、床との接触が強く、自然の地面に足をつけているような感覚に近くなり、安心感や安定感を与えてくれます。アトピッコハウスの「ほんものたたみ」は、昔ながらのワラ床畳で、独特なクッション性を感じられます。

6畳と6帖の違いは何ですか?

現在の住宅の床材はフローリングが主体となっているため、畳を敷いている和室と区別するために、和室には「畳」、洋室やリビングなどは「帖」を使うようになったと言われています。帖とは一般的には畳1枚のことを指しますが、畳は地域によってサイズが異なるため「1帖=1.65㎡」または「1帖=1.62㎡」で計算することが多いです。

和室と洋室の最も大きな違いは何ですか?

和室と洋室の違いは、床の素材や部屋の内装、使われる家具や装飾品などにあります。和室は、畳を敷いた床や襖や障子といった和風のものが多く使われます。一方、洋室は、カーペットやフローリングなどの床材が使われ、家具や装飾品も洋風のものが使われることが多いです。

無料で、資料・サンプル差し上げます

アトピッコハウスは、無垢・珪藻土・漆喰・クロス・畳など
オリジナルの自然素材内装材を、製造販売する会社です。

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ほんものたたみ